癇癪がひどい子供は発達障害!?健常児との違いや失敗しない癇癪の対応は?

子供が大声で泣き叫んで手が付けられなくなってしまう、駄々をこねて寝転がって暴れる・・・こんな子供の癇癪には困ってしまいますね。

子供の癇癪があまりにもひどいと、もしかしてうちの子発達障害じゃないの?と心配になってしまいます。

ですが、子供はそもそも癇癪を起こすのが普通ですし、癇癪を起こす子供みんなが発達障害というわけではありません。それでは、発達障害の癇癪は他の子供とどこが違うのでしょうか?

健常児との違いや、子供みんなに使える癇癪への対応方法を紹介したいと思います。



子供の癇癪はなぜ起こる?

そもそも、子供はどうして癇癪を起こしやすいのでしょうか?

子供が癇癪を起こす場面を考えてみてください。

たいていの場合「あれがほしい、これがしたい!」と言う要求を通したい場面と、「これしたくない!ここにいたくない!」という拒否の場面だと思います。

癇癪の原因1要求を通したい

子どもは要求を通したいときに癇癪を起こします。

  1. スーパーでほしいお菓子を買ってもらうまで泣き叫ぶ
  2. 用事がある日に公園に行きたくて泣き叫ぶ
  3. ママに抱っこしてほしくて泣き叫ぶ

なんかは、要求を通すための癇癪と言えます。

癇癪の原因2拒否したい

また、これがしたくない!という拒否の気持ちを示すときにも子供は癇癪を起こします。

  1. 病院に入りたくなくて泣き叫ぶ
  2. 公園から帰りたく無くて泣き叫ぶ
  3. 嫌いな食べ物を食べたくなくて泣き叫ぶ

なんかは拒否したい癇癪と言えます。

発達障害の子供に癇癪が多い理由

それでは、どうして発達障害がある子供は癇癪を起こしやすいと言われるのでしょうか?

その理由は、

  • 感情のコントロールが出来にくい
  • 他の人の気持ちが想像できにくい
  • 言葉の発達が遅い

といった特性を持つ子が多いことが原因と言われています。

感情のコントロールが出来にくい

発達障害のある子供は感情のコントロールをすることが苦手です。大きくなっても、気に入らないことがあると我慢できずにわめいてしまったり、暴力をふるってしまうことがあります。

例えば、友達とテレビゲームをしているとしましょう。ゲームをやるからには勝ちたいわけですが、実際には負けてしまうこともありますよね。

負けてしまったとき、「悔しいけど次勝てるように練習しよう」「もう一回やろう!次は勝つぞ!」と思えるのが理想ですが、感情のコントロールが出来ないと

ゲーム楽しいね!

楽しいね!僕が絶対勝つぞ~!

ママが勝った!やった!

なんで勝つんだよ!僕が勝ちたかったのに!!!!ぎゃーーーーーー!!!

となってしまいます。

こうなると、わがままな子、自分勝手な子と友達に思われてしまいます。

他の人の気持ちが想像できにくい

癇癪を起こしやすい原因として、他の人の気持ちが想像できにくいことがあります。

子供の世界と言っても人間同士の関わり合いなので、当然相手を尊重したり、自分の意見を相手にすり合わせたりすることが必要になります。

ですが、発達障害の子供は相手がどう考えているのか、相手には自分と違う考えがあるというのが分かりづらく、つい自分の考えだけで行動してしまいがちです。

自分の考えで動いているのに、相手が自分の思い通りに動かない、自分の行動を制限されるという場面が多くなり、その原因が理解できなくて癇癪が起こってしまいます。

言葉の発達が遅い

小さい子供は、言葉で自分の気持ちを伝えることが出来ず、泣いて要求を伝えますよね。言葉が未熟なうちは、泣いて伝えるのが普通なんです。

発達障害を持つ子供たちの中には、言葉の発達がゆっくりの子供が多く、言葉で要求を伝えることができず、泣いて気持ちを伝えようとするわけです。特に、1歳を過ぎると自我が芽生えてきますから、言いたいことがあるのにうまく伝わらない、言えないことへのイライラが溜まりやすいといえます。

・・・公園、行く!
(○○公園の滑り台が大好きだから○○公園に行きたい!)

公園に行きたいの?じゃあ▲▲公園に行こう

うえーーん、公園、いく!
(違うよ!○○公園に行きたいの!)

だから▲▲公園に行くんでしょ?行かないの?

ちがーーーう!!!!!!公園――――!!!!ぎゃーーーーー!!!
(○○公園にいきたいって言ってるのに!!)

こんな感じのこと、経験された方は多いのではないでしょうか?

癇癪持ち≠発達障害

それでは、癇癪持ちの子供は全員が全員、発達障害なのでしょうか?

もちろんそんなことはありません。

そもそも、癇癪は多かれ少なかれ小さな子供ならあって当たり前のことで、癇癪をしたことがない子供の方が少ないと思います。

では、発達障害の子供が起こす癇癪と、健常児の子供が起こす癇癪はどこが違うのでしょうか?

分かりやすいように、子供を一本の木で考えてみましょう。

木には、大きな幹があって、そこから枝がのびて、その先に葉っぱが生えてきます。この葉っぱの部分が、子供に現れる特性としましょう。

発達障害の子供が癇癪を起こしやすい原因は、感情のコントロールが出来にくい特性が原因というのはご紹介しましたよね。

発達障害という大きな幹があり、そこから派生して「我慢がしづらい・感情のコントロールが効かない」という枝があり、さらにその先に「癇癪」と言う子供の特性(葉っぱ)が現れます。

そして、木には葉っぱが一枚ではなく沢山ありますよね。発達障害と言う幹がある子供の場合は、癇癪は発達障害の特性の一つであり、癇癪以外にも特性が現れてくると考えられます。それは、今現在現れているかもしれないし、これから現れるかもしれません。

健常児の子供の場合、ほとんどが成長と共に癇癪は収まっていきます。

発達障害のある子供でも、癇癪だけでいうと、ほとんどが成長と共にマシになってくると思います。ですが、次は友達とのトラブルや落ち着きのなさ、集中力のなさなど、発達障害から派生した他の問題が目立ってくるようになります。

こちらでも発達障害の子供と健常児の違いを書かせていただきました。

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違いは「癇癪以外に問題があるかどうか」

癇癪をおこすという面だけ見れば、発達障害でも健常児でも違いはありません。

ですが、発達障害がある場合は、それ以外にトラブルや問題が起きてくる、という部分で健常児とは違うといえます。

ただし、これは個人差が大きく、今トラブルが出て来なくても大きくなってから出てきてしまったり、今トラブルのように見えていても、成長したら全く問題なくなることもあります。

発達障害の診断は、だいたい3歳くらいからと言われています。癇癪以外にも心配事があれば早めに医療機関や自治体に相談してみましょう。

癇癪は親がひどくしている!?癇癪を起した時の正しい対応は?

実は、癇癪って親の対応によっては良くも悪くもなるって、知っていますか?

うまく対応すれば、癇癪は次第に収まってきますが、間違った対応を取っていると、どんどん癇癪はひどくなってきます

これは、発達障害でも健常児でも一緒です。

癇癪はなぜひどくなった?

今は癇癪がひどい子供も、少し前まではそんなに癇癪がひどくなかった、最近特にひどくなった、と言うことはありませんか?

実は、それは親の間違った対応によって、癇癪が子供の習慣になってしまっているからなんです。

癇癪が習慣になるメカニズム

例えば、スーパーで子供がお菓子をほしいと泣き出したとします。

お菓子ほしいよ!

お家にあるから、お菓子は買わないよ。

このお菓子がいいの!!えーーーん!!

ダメだよ!

お菓子ほしいもん!!!!!うわーーん!!!!!

仕方ない、一つだけよ!

やったー!!

こんなことが、昔ありませんでしたか?

お菓子に限らず、

靴はきたくないから抱っこして!!

荷物がたくさんだからダメだよ、歩いて

やだーー!!!抱っこがいいもん!えーーーん!

遅くなっちゃうし嫌だな。)
しょうがないな、抱っこしてあげるよ

やったー!!

こんなこともなかったでしょうか?

実はこれ、子供にとっては「泣けばご褒美がもらえる」図式になってしまっているんです。

もし、次にまた同じことが起こった時、どうなると思いますか?

お菓子がほしい!!

ダメだよ!

(前は泣いたら買ってくれたし、もう少し泣いたら買ってもらえるかも!)
えーーーん!買ってよー!

今日はダメ!

(あれ?おかしいな?もっと泣いたら買ってもらえるかも!)
ギャー―――――!!!買ってよ―――――!!

仕方ないな、一つだけよ

やっぱり泣いたら買ってもらえた♪

こんな風に、一度成功経験がある子供たちは、お菓子を買ってもらうために「泣く」という部分を強化して要求を通そうとします。

泣いたら要求が通ることが続くと、泣く=要求が通るという習慣ができ、結果的に癇癪がどんどんひどくなってしまうんです。

では、一体どうやったら癇癪を抑えることが出来るのでしょうか?

それは別に難しい方法ではありません。むしろ、子供との絆がもっともっと深くなる方法なんです!

正しい癇癪への対応は?

癇癪への対応は、大きく2つの方法で行っていきます。それは、

  • 「泣く=要求が通る」を断ち切る
  • ご褒美はお菓子<褒められるにする

の2つになります。

この2つは必ずセットで行わなければ意味がありませんので、必ず両方確認してくださいね。

それでは、詳しく見てみましょう。

「泣く=要求が通る」を断ち切る

まずは、泣いたら要求が通る、という道を断ち切らなければなりません。癇癪が習慣化してしまった子供の場合、要求を通すためにどんどん「泣く」を強化してくるので、癇癪は大変なものになるかもしれません。ですが、ここは親の忍耐力の見せどころです!

お菓子を欲しがっても絶対に買わない、どんなに泣いても買わない!と言う姿勢で臨みましょう。

今日はおやつ買わないよ、わかった?

わかった

泣いても買わないからね、わかった?

わかった

こんな風に、お買い物の前に子供に確認して約束させておくことも効果的です。

それも、しつこいくらいに言っておいた方が子供の頭には残りやすいでしょう。

もし約束を守れず泣いてお店や他のお客さんに迷惑がかかりそうなら、お買い物は途中で切り上げて潔く帰ってしまうのもアリです。

大丈夫、そんな子供はよく見ますし、みんな見慣れていて気にしていません(笑)食事だって、数日くらい手抜き料理でもかまいません。買い物はパパが帰ってきてから、スーパーやコンビニに行けばいいんです。

今は、ネットスーパーもありますし、食材を調理するだけの宅配サービスもあります。

軽い気持ちで考えて、決して子供にイライラをぶつけない。ここで怒ってしまうと、子供は火に油を注いだように泣きわめきます。「今回は我慢できなかったけど、次頑張ろう」と笑顔で声をかけてあげられたら最高です。その方が、早く泣きやんで親も楽ですし、子供との関係も良好になります。

でも、これだと子供は我慢をするだけで、なにもご褒美がもらえません。

それじゃあ、子供も納得しませんし、癇癪もなかなか良くなりません。

そこで大切なのが、「褒める」というご褒美をあげることなんです。



ご褒美はお菓子<褒められるにする

子供がお菓子を我慢できた、癇癪は起したけど結果的にお菓子を買わなかった、そんな時は思いっきり褒めてあげてください!

子どもは、褒められることが大好き、特に大好きなパパやママに褒められるのは何物にも代えがたいご褒美なんです。
もし褒めるだけでは足りなければ、子供が好きなことをしてあげても構いません。

抱っこ、たかいたかい、こちょこちょ遊び、おままごと、戦いごっこなど、ママやパパと一緒に遊べて、子供たちにとってご褒美になることならOKです。

今日お買い物に行くけど、絶対買わないよ!

わかった

と必ず確認しておき、いざお菓子売り場で泣きわめいても

ぎゃーーー!!お菓子買ってーー!!!!

今日はダメだよ!絶対買わないってお約束したでしょ

ぎゃー!買ってほしいー!!!

だめだよ、我慢できたらお家でこちょこちょたくさんしてあげるよ

うっ…じゃあ…我慢する…

すごい!!我慢できたの?すっごくかっこいいね!○○君さすがだね、ママ絶対我慢できると思ってたんだ!よし!家に帰ったらいっぱいこちょこちょしようね!

うん!(泣くのを我慢できたらこんなにほめてもらえるんだ!次も頑張ろう、ママ大好き!)

と言うふうに、ほめるときはとにかく子供が恥ずかしくなる位、たくさん褒めてあげるのが大切です。

その方が、子供へのインパクトも大きいですし、より特別なご褒美感が増します。

泣く→もっと泣く→お菓子(ご褒美)

ではなく、

泣く→我慢する→褒められた(ご褒美)

というふうに持っていければ大成功!

褒めることを続けていくうちに、我慢できるのが5回に1回、3回に1回、2回に1回とどんどん改善されて行くと思います。

最初の頃は、大きな癇癪が起こってしまうこともあると思います。

そんな時はどんな言葉をかけても全く頭には入らない状態なので、「これは何を言っても駄目だな」と思ったら、さっさと買い物を終わらせるか、潔く買い物をやめてお店から出てしまいましょう。

そして、「泣いちゃったけど、お菓子は買わないで帰れたね、すごいよ!」「次は頑張ろうね」と笑顔で声をかけてあげましょう。

親の心の余裕が大切になる

癇癪は治すのに時間はかかりますが、親の対応次第で改善することができるものです。でも、親だって人間ですし、子供の癇癪でイライラしてしまったり、つい怒ってしまうこともあると思います。そんなとき、必要なのは親の心に余裕があること。

心に余裕があるとき

お菓子買って!!ぎゃーーー!!!

(また癇癪起こしたな、前は我慢できたしたまには仕方ないな。)
前は我慢出来たもんね、今回もできるかな?ママ、たくさん褒めてあげたいな

(ママ優しいな。今日も頑張ってもっと褒められたい)僕、頑張って我慢する

とっても偉いね!(よし!癇癪が良くなってきた)

と、子供もいうことを聞いてくれやすいですし、結果的に早く買い物が終わります。ですが、心に余裕がないと子供の癇癪にイライラしてしまい、

お菓子買って!!ぎゃーーー!!!

(また癇癪起こしたの!?時間がないのにイライラする!)
前我慢出来たんだから今回もできるでしょ!早くこっち来てよ!!

(いつも頑張ってるのに今日は褒めてくれない!もう頑張りたくない!)うわーーん!ほしいんだもん!!

もう全然癇癪が治らないじゃない!

親に心の余裕がないと、せっかくここまで頑張ってきたものも意味が薄れてしまいます。

心に余裕持つためには、たまには子供から離れて好きなことをする時間が必要です。子供をパパやおじいちゃんおばあちゃんに預けて、趣味に時間を使ってみたり、友達と食事に行くのもリフレッシュになります。

どうやったら心に余裕ができるの?好きなことって何をすればいいの?そんな人には、こちらでおすすめのリフレッシュ方法をご紹介しているので、参考にどうぞ♪

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まとめ

癇癪と発達障害との関係や、癇癪への対応などをご紹介しました。子供が発達障害でもそうではなくても、癇癪は親の対応で改善することが出来ます。ぜひ今日から始めてみてくださいね!